私たちは、自然の恩恵を受けて生活を享受しています。微生物や動植物からは、多くの医薬品が研究開発され製品化されました。『インフルエンザ治療薬タミフル』などがその一例です。生態系の価値を経済的に評価する報告書「生態系と生物多様性の経済学」が、生態系ビジネスの市場規模は今後、拡大するという予測をまとめました。2020年の予測金額を25兆円程度と見込んでいます。
一方で、生物資源をめぐる世界の対立が起きています。開発などによる協力や自然の損失を保護するための『生物多様性条約』に基づく金銭を含めた協力援助が低すぎるとの理由から、生物資源提供に規制や拒否の動きが出ています。従って、これからは「ただ同然」と考えられがちだった自然の価値を、経済的に評価する指針を確立する必要性に迫られることでしょう。開発などによる損失を別の場所で保護された自然の価値を買い取る形で埋め合わせる「生物多様性オフセット」の市場も、3千億から9千億に広がる見通しです。
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