知っ得豆知識

地方３公社と自治体経営２

　公社と自治体の経営がどのような関係にあるのかを見てみましょう。公社が抱える借金のうち、自治体が公社へ委託した事業で生じたものは、自治体が金融機関への「保証人」となり、公社が返済不能となった場合の返済を保証することになっています。

　国は０９年度から、公社解散時に残った借金を自治体が肩代わり返済する目的で起債し、長期償還できる第３セクター等改革推進債（３セク債）制度を導入、解散を促しています。しかしながら、市区町村にある土地開発公社の解散は足踏み状態にあります。解散後の公社の借金は、債務保証以外も含めて自治体が背負うことになることが大きな理由です。しかし、このままでいても借金がかさむ一方です。いずれにしましても、借金が自治体経営を大きく圧迫していることに変わりはないのです。

地方３公社と自治体経営１

　本日と２２日の２回に亘って配信いたします。

　地方３公社とは、①土地開発公社　②住宅供給公社　③道路公社を指します。土地開発公社は公共事業用地の買収、住宅供給公社は住宅の分譲や集合住宅の賃貸、道路公社は有料道路などの建設を担っています。①は都道府県と市区町村が、②と③は都道府県と政令指定都市が出資して設立できます。

　その３公社が抱える借金は総額７兆６４６１億円になります。（２００９年度決算時、朝日新聞の調査による）内訳は①が３兆２０７４億円、②が１兆８３７６億円、③が２兆２兆６０１０億円でした。うち４兆４０８２億円を自治体が債務保証していることがわかりました。これが自治体経営の窮状となっています。大変な事態です。

 

完全失業者と有効求人倍率

　１５歳以上で働く意欲があるのに職がなく求職活動をしている人を完全失業者といいます。有効求人倍率はハローワークで職を探す１人に、企業から何件求人があるかを示したものです。

　厚労省の調査では改善の兆しはあるものの１０月の有効求人倍率（季節調整値）は０．５６倍。一方、総務省によりますと、完全失業者数は前年同期比で２５万人減の３３６万人。こちらも改善の兆しは見られるものの、１年以上が経つ長期失業者は、前年同期より３３万人増え失業者全体に占める割合の３８％になります。仕事があるあり難さに感謝しなければならないと思う昨今です。

「男女平等度」国際ランキング

　「男女平等度」を示す二つの国際ランキングが発表されました。

　１３４か国中９４位と低かったのは、１０月に発表された「世界男女格差指数（GGGI）」です。これは、国会議員・企業管理職比率や男女の賃金比率など、政策・経営への参加度や経済力を指標に男女の格差をはじきだしたものです。

　一方、１３８か国中１２位だったのは、今月上旬に公表された「男女不平等指数（GII）」の順位です。この指標は昨年まで「ジェンダー・エンパワーメント指数（GEM）」の順位で公表していましたが、今年から指標を変更してGIIに切り替えられました。GIIは「女性の可能性を損なうことが社会の損失になる度合い」として、妊産婦死亡率や若年女性の出産率などを重視しています。

アイルランド救済措置へ

　ギリシャに続いてアイルランドが、欧州連合（ＥＵ）と国際通貨基金（ＩＭＦ）から救済されることになりました。アイルランドは人口約４５０万人、１人当たりの国民総所得は約５万ドル。（ギリシャは約２万９千ドル）「劣等生」のギリシャに比べて１９９０年後半からは財政赤字を解消した実績があります。しかしながら、税制政策や不動産開発（によるバブル）の失敗により、最悪の結果を招いてしまいました。

　次はポルトガルへの飛び火が懸念されています。私たち日本人も『対岸の火事』と思わずに経済や金融の危機と真摯に向かい合いたいものです。

栄光の影で

　三大国家資格というと異論を唱える人がいるそうですので言及はしません。２０１０年の公認会計士試験の合格者が１５日発表されました。岐阜市の通信制高校２年、長谷川智也さん（１６）が最年少で合格し、昨年の１８歳を更新しました。合格率は８％。おめでとうございます。

　反面、試験に合格しても２年間の現場経験を踏まなければならない業界。その現場がないためにアルバイトで生活している人もいるそうですが・・・・・たとえ仕事につけたとしても、新人の年俸は５００万円に満たないそうです。大変な世の中ですねー。

ＦＴＡほか

　前回配信のＴＰＰ以外の略語を紹介しましょう。

・ＦＴＡ（自由貿易協定）・・・２カ国・地域間で関税などの貿易上の障壁を取り除く協定。

・ＥＰＡ（経済連携協定）・・・ＦＴＡを柱に、労働者の移住の自由や投資規制の撤廃なども盛り　　　　込んだ協定。

・ASEAN（東南アジア諸国連合）＋３・・・東南アジア１０カ国と日中韓３カ国で経済協力や経済危機対応での連携を目指す枠組み。

・APEC（アジア太平洋経済協力会議）・・・２０２０年までに域内の貿易や投資の自由化を目指すアジア太平洋２１カ国・地域の枠組み。

 

ＴＰＰとは

　「TPP」に参加する、しないで日本の政府がもめています。「TPP」とは、環太平洋パートナーシップ協定（Ｔｒａｎｓ－Ｐａｃｉｆｉｋ　Ｐａｒｔｎｅｒｓｈｉｐ）のこと。２００６年にシンガポール、ニュージーランド、チリ、ブルネイの４か国連合で始めた太平洋版ＥＰＡ（経済連携協定）で、「例外なき関税撤廃」を目指しています。

　海外製品が安く入る、海外にこれまでよりも安く製品が売り込めるなどのメリットがある反面、安い農作物が輸入されると、農業政策に大きな影響が出るなどのデメリットがあります。参考までに、現在、米国向けの乗用車には２．５％、トラックには２５％、液晶画面には５％の関税がかかっています。輸入米には７７８％、牛肉には３８．５％も関税をかけています。

 

非正規教員７人に１人

　非正規教員（常勤講師と非常勤講師）が増え、昨年は約１０万５千人と全体の１５％を占めました。この率から計算すると、「非正規教員」が７人に１人を超えることになります。背景には、財政難の自治体が、安い給料で済む非正規の採用に動いていることが挙げられます。しかし、任期が限られているため、「教育活動の水準を保てない」と懸念する声が上がっています。

　常勤講師は正規教員と同じくフルタイム（週４０時間）働き、学級担任もできますが、非常勤講師は「直接担当する授業だけ」「週２０時間」といった限られた時間の指導しか担うことができません。（両講師とも給与面では、正職員と比べてかなりの格差があります）

戦略的互恵関係とは

　尖閣諸島沖の衝突事件をきっかけに、いまだに日中の関係もギクシャクしています。記者会見の中で『戦略的互恵関係』という言葉をよく耳にします。戦略的の意味合いはともかく『互恵関係』とは何かを押えておきましょう。

　ひと言でいえば「日中がお互いに利益を得られる関係」を意味します。交渉の場面などでも「ウイン・ウイン（ｗｉｎ win)の関係」が重視されます。交渉はお互いに得るものがなかったら成立しない、といわれています。それと同じ関係です。中国とは今後もさまざまな摩擦が起きるかも知れません。それだけに、両国のリーダーが互恵をはかる強い意志をを持たなければならないと思います。