国や企業などに課せられる二酸化炭素など温暖化ガスの排出許容枠を排出権といい、それを売買する仕組みを『排出権取引』といいます。京都での会議では、削減目標を設定する是非や目標値を巡って意見が対立しました。排出権取引は、「決裂の恐れを回避するための抜け道」とも言われています。しかしながら、削減にあたり、国や企業の置かれた実情や技術力は大きく異なるため、そのような格差を埋める上で排出権取引は合理的で便利だとされているのが現実です。
具体的には排出許容枠をオーバーした分を、まだ許容枠のあるところに買っていただくことになります。ただ、同仕組みは書類上、排出量が減るだけで、実際の削減は意味しません。金融商品と同じように、将来の値上げを見込んで投資ファンドの動きも活発化しています。日本でも5月初め、有力企業13社(東京ガス・大阪ガス・コスモ石油・三菱商事・住友商事ほか)が排出権取引の仲介事業に乗り出すために、共同出資会社ナットソース・ジャパンを設立しました。
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