援助行動には、①援助を与える ②援助を要請する ③援助を受ける、という3つの側面があり、いずれの側面も自尊心と密接に関連していると言われています。援助をする側は自尊心が高揚し意識・無意識を問わず優位なポジションを維持します。一方、援助を要請するには、きまりの悪さ、拒絶の恐れ、心理的負債、強いられる自己開示、自己達成の放棄を迫られ、自尊心への脅威が伴うのです。さらに、援助を受けることはその脅威を現実なものとします。世界的に日本はこれまで、①援助を与える立場にありました。しかし、いまが②③の立場にあります。援助を受ける側の辛い心理を理解する契機となるのではないでしょうか。このような側面(背景)が絡み合うのですから、外交はことさら厄介なのだと思います。
一般の対人関係においても同じことが言えます。私は心理学の専門家ではありません。それでも3つの側面におけるこれ等の心理はとても理解・納得できます。相談事一つをとらえても援助を与える行動側の心構えが問われる、そのことを忘れないようにしたいと思います。
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