知っ得豆知識

阪神の教訓から

　土地がないため、東日本大震災の被災地で、復興住宅の建設が遅れています。さらに「地域のつながりをどう守る」かが課題となっています。

　阪神大震災での復興住宅は２万５千戸。被害が大きかった神戸市中心部などで同様に用地の確保が難しく、郊外に多く新築されました。２０００年から１１年までの１２年間に、復興住宅で誰にもみとられずに亡くなった人は７００人を超えるといわれています。この教訓を生かして「孤独死」を防ぐ対策を講じなければなりません。

補助金返金、企業撤退

　地方自治体の企業誘致が、曲がり角にきています。景気低迷で、誘致企業の撤退や工場の売却が相次いでいるからです。都道府県からの補助金を返金して撤退した企業の事例は、①千葉県、パナソニック茂原工場（３億４千万円）➁長野県、ＮＥＣライティング伊那工場（３９００万円）③三重県、エポニックモノシランジャパン（１億円）④兵庫県、パナソニック尼崎工場（１２億６千万円）⑤大阪府、大日本印刷グループ（１５億７千万円）凸版印刷グループ（１６億８千万円）　などがあります。

建設業界人手不足

　補正予算が通ると、年度末はさらに公共事業ラッシュになります。景気回復の起爆剤を狙う政府の思惑が、意外な落とし穴に苦慮しています。建設業界の人手が足らないのです。なかでも東日本大震災の被災地は６４％の業者が人手不足になっている、と答えています。（業界全体では３５％）全国規模で公共事業が増えても人手が足らないことにはお話になりません。被災地の復興遅れが大いに懸念されます。また、賃金上昇に拍車がかかり、住宅コストの高騰など個人への影響も出てきそうです。

一転黒字に

　５日トヨタ自動車は、２０１３年３月期で、国内事業を担う単体の営業損益を従来予想の２００億円の赤字から１５００億円の黒字に上方修正しました。単体の営業損益が黒字になるのは０８年秋のリーマン・ショック直前の０８年３月期以来５年ぶりだそうです。円安が功を奏した結果です。輸出企業は笑いが止まらないでしょうが、生産状況はほとんど変わらないのに「金融政策一つ」「金融状況の流れ一つ」で天国と地獄を見る。これでよいのかと大きな疑問を抱きます。